自分の姿がカメラに映され、モニターで表示されるということになかなか慣れない人もいるでしょう。鏡を見ない限りは自分の姿は見えないわけですし、いつも鏡を見続けるわけにもいかないのです。そしてなにより鏡は左右逆なので、モニターに映る自分に対して違和感を感じることもあるかもしれません。ですが、それが人から見えているあなたです。
ライブチャットでは映像と音声を併用することができます。自分がその時どこにいるのか、なにをしていたのかさえ、モニター越しに相手にある程度伝わってしまうのです。メールや電話では真摯であったけれども、姿がなんとなく「不潔」であるとか「だらしない」ということであれば、そんなよけいな情報まで伝わってしまうのです。「姿を見せる」ということは、ある意味怖いもので、正論を言っていたとしてもそれが「正論」として伝わらないこともあります。
「情報」はその「発信者」によって「信ぴょう性」を変えます。信ぴょう性が変わるということは、その重要度が変わるということです。本当は重要なのに「どうでもいい」と捉えられたり、本当はどうでもいいのに「大変なことだ」と捉えられたりするわけです。そのようなことは「悲劇」であり、正確なコミュニケーションが取れなかったということでもあります。
「姿を見せる」ということは、ある意味この「情報源」に対して「ブランド」をつけるようなものです。「誰」がそのようなことを言っているのか、「誰」がその情報の責任者なのか、発見者なのか、ということが、受け手側にその情報に対する「先入観」を与えてしまうのです。先入観はちょっとしたことで解消することもできますし、或いはなにをやっても抜けない場合もあります。コミュニケーションを重ねても、誤解が解消されないこともあります。それが「人間」であり、社会の難しいところなのです。
ライブチャットのコツ、はコミュニティで生きるためのコツでもあるのですが、そのような「人間であること」を念頭に置いたコミュニケーションでなければいけません。真摯な態度で望めるか、時には砕けた雰囲気のときにそれにうまく乗れるかどうか、などです。
電話では音声だけです。どのように真摯に会話していても、相手が寝そべっているかもしれないのです。ですがライブチャットでは対面でのコミュニケーションに準ずるものがあります。「見える」ということが与える膨大な情報量は、相手がどのような人であるのかを暗に伝えるものであり、相手を「こんな人だ」と判断する材料としては十分すぎるものであるのです。そのようなことを意識しなければ、「本当は真面目なのに」ふざけた人物であるという評価を得てしまうかもしれないのです。
姿を見せるということは、さまざまな情報を相手に与えるということです。自分が相手の姿から得るだけの情報と同じものを、相手にも与えるということです。背景が雑然としていないかどうか、自分の姿が乱れていないか、しっかりと身だしなみを整えることが大切なのではないでしょうか。相手からどう見えているのか、を常に意識しましょう。それは社会人としての常識でもあるのです。ダラダラしていては、良い印象は与えられません。